フタル酸樹脂塗料のメーカー8社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
フタル酸樹脂は別名をアルキド樹脂と呼び、多価アルコールと多塩基酸の縮合反応によって生成されます。2個以上の水酸基とカルボキシル基が反応した縮合高分子が形成され、比較的容易に合成でき、大変安価であり、他のビヒクルと混合して使用しても優れた塗膜を生成します。また、多価アルコールと多塩基酸、変性剤の選択によって広く性質の異なる樹脂が得られるため、使用分野に応じて多様な塗料を作ることが可能です。概して耐水性、耐アルカリ性に劣ります。
主に建築、車両、船舶、機械などに使用されています。
変性樹脂の種類によって使用法は多岐にわたり、長油性フタル酸樹脂を主成分とするものが一般的で、光沢が良く、作業性が優れています。
ロジン変性したものは耐候性を必要としない合成速乾ニスとして使用され、フェノール変性では速乾性かつ研磨性が良好のため下地塗料として使用されます。スチレン化したものではプラスチック成形物と相性が良いのでポリスチロール版用の塗料として利用されます。
多価アルコールの水酸基と酸のカルボキシル基が反応し、水分子が分離される縮合反応によってフタル酸樹脂が生成されます。フタル酸樹脂は溶剤に対する溶解範囲が限定され、また、かたくてもろい樹脂となりやすい特徴があります。縮合反応は急速に進むために活性基が残りやすく、変性樹脂として用いるのが一般的です。
最も多く使用されているのは乾性油変性樹脂で、自然乾燥型のフタル酸樹脂塗料は長油性フタル酸樹脂を主成分とし、乾燥剤によって酸化重合して塗膜を形成します。
脂肪酸の不飽和二重結合が極めて活性であり、乾燥剤の触媒作用によって空気中の酸素で酸化され、過酸化物を生成します。この過酸化物は最終的に三次元的に網状に分解重合し、不溶で不融の塗膜を形成します。
また、同様に乾性油変性樹脂を主成分として油長が比較的短い樹脂を用いた場合、硬化を促進するためにメラミンや尿素樹脂等を少量添加し、速乾性で高硬度の塗料を生成します。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sfj1954/9/9/9_9_21/_pdf/-char/ja
社員数の規模
設立年の新しい会社
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