タングステン研磨機のメーカー6社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
タングステン研磨機とは、タングステン金属の表面を磨くための装置です。特にTIG溶接に使われる電極棒の先端を磨くために使われます。
タングステンは非常に硬い金属のため、研磨砥石にはより大きい硬度を持つダイアモンドが使われます。ダイアモンド以外では、CBNと呼ばれる立方晶窒化ホウ素が用いられることもあります。両方とも硬度だけでなく熱特性にも非常に優れているため、研磨による変形が少ないです。
研磨する際は角度にも気をつける必要があります
基本的に使われる用途としては、TIG溶接に使われる電極棒の研磨です。
TIG溶接とは放電を利用した溶接方法です。電極棒と金属基材に電圧をかけ、アークと呼ばれる光が発生します。アークは強い熱を持っているため、基材表面が溶けて溶接することができます。
電極棒にはタングステンが使われており、その棒の研磨のために装置が使われます。電極棒を使い続けていると、棒の先が変形することがあります。変形を放置していると、溶融がきれいにできなくなるので、研磨によるメンテナンスが必要になります。
ここでは研磨の方法を紹介します。
まずは投入口のネジを調節し、研磨する角度を決めます。研磨する角度は非常に重要です。同じ材質の砥石を使っていても、角度により電極棒の性能が変化してしまいます。その棒にあった角度で削ることが大切です。
投入口の位置を決めたら、研磨機のスイッチを入れます。スイッチが入ると研磨ホイールが回転します。回転体は危険なため、直接手が触れないようにカバーが取り付けられていることもあります。
ホイールが回転したら、投入口から研磨棒を入れます。時々時計回りに回転させながらホイールに当てることで、ムラなく削ることができます。
研磨が終わったら棒を取り出し、スイッチを切ります。
場合によってはカバーや位置設定の機能がなく、研磨ホイール単体で利用されるケースもあります。その際はシャープナーと呼ばれる装置で、研磨をしやすくすることがあります。ホイールがむき出しの場合は危ないため、保護具等の着用が望ましいです。
参考文献
https://ultraprecision-nanomachining-center.com/column/タングステンとは%EF%BC%9F特徴と加工方法を紹介%EF%BC%81
https://www.mwl.co.jp/shop/item.php?item_cd=1
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_processing/mp05/a0274.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure/welding/arc/mechanism.jsp
https://item.rakuten.co.jp/kougunomikawaya/nt_sharpener_blue/
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
ポータブルシャープナー MTR-1は小型かつ軽量設計のため容易に持ち運びすることができる業界初のポータブルタングステン研磨機です。
チャックレス方式を採用することでタングステン電極棒の固定時間を短縮し、砥石としてダイヤモンドホイール#300を設定しているため高品質な仕上がりを実現します。
電極棒の軸方向と研磨方向が同一となる設計のためアーク集中を促し、電極棒の耐久性を向上させ、ダイヤモンドホイールは研磨位置スライド式構造になっているため満遍なく活用することができます。
TTG Plusはコンパクトかつ軽量設計で操作性にも優れている上に高精度な仕上がりを実現するタングステン研磨機です。
研磨に加えて、切断、先端平面処理といった加工も高精度かつ高速に行うことができるため、他の機械を導入するコストや時間を削減することが可能です。
タングステンの径は1.0、1.6、2.0、2.4、3.2、4.0mmに対応していて、それぞれ15°、30°、45°、60°の研磨角度をつけることができます。
それぞれの径と角度の組合せに対応した合計24個の穴があらかじめ用意されているため、設定に時間をかけることなく正確に研磨することが可能です。
タントギ TA-60XWは本体に内蔵されたゲージを利用することで20mmの短いタングステン電極棒や極小型トーチであっても研磨することが可能なタングステン研磨機です。
テーブルスライド方式を採用しているため砥石のダイヤモンドディスクの面を無駄なく使うことができ、独自の冷却方式を設定することで研磨によって発生する熱を拡散し、焼けを抑制することも可能なため、コストを抑えられます。
研磨角度は15°~120°まで15°間隔で調整可能になっていて再現性が高く、電極のたわみによる芯ズレの影響も限りなく減らせるため、プラズマトーチにも対応できます。
研磨ディスクの交換方法は工具を使うことなく手で行うことができる構造になっていて、研磨ディスク上部には透明の保護カバーが設置されているため視認性もよく安全性にも優れています。
タングステン電極棒の先端加工専用のタングステン研磨機で、研磨ベルトに加えタングステン電極棒も回転させるダブルモーター方式を採用し、消耗を抑える軸方向研磨加工が可能です。
電極棒の固定方法はドリルチャック機構を採用しているため、取り付けおよび取り外しは工具を使うことなく容易に行うことができます。
幅30mmのサンディングベルトを採用しているためランニングコストを低く抑えることができ、ベルト粒度は#80、#100、#120の3タイプが用意されていて、用途によっては別粒度のタイプも対応可能です。