スプリングピンのメーカー7社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
スプリングピンは、中空のピンにすり割り加工を施したC型形状をしたピンです。薄板を円筒状に曲げたものに、錆防止や硬化などの目的でさまざまな表面処理を施しています。製法に特別な技術がいらなく、構造材も鉄やステンレスなどで作成できるため、安価で大量生産できる部品です。
ピンのすり割り加工に合わせて直径が縮むためピン径より直径の小さい穴に挿入することができ、弾性力により穴壁に内圧がかかるのでセルフロックがかかります。そのため、ピンの抜け止め対策が不要となります。
スプリングピンは、位置決めや部品同士の連結に使用されます。抜け止め、ストッパーなどの用途もあり、さまざまな用途で使用されています。C型に丸めた筒状のピンが多く、ピンよりもわずかに小さい穴に挿入することで使用します。基本的には一度挿入したら抜くことはありません。
ピン径や穴径は規格化され、細かく規定されていますが、はめ合い公差などの許容差はないので、穴の精度に関係なく穴径やピン系を確認し、用途に合わせて選ぶことができます。
スプリングピンの大きな特徴は、ピン自体がセルフロックをする事です。ピンにはすり割り加工がしてあり、C型に丸めた筒状の形状をしています。スプリングピンを挿入する穴は、ピンよりわずかに小さい穴径で加工します。ピンはすり割りにより直径が縮むことで、穴に挿入され、復元力でセルフロックされます。また、ピンの両端には面取り加工を施してあるので、よりスムーズに挿入しやすくなっています。
スプリングピンはあまり強い力で叩きすぎたりするとピンが折れて使用不能になってしまいます。ピンを挿入するための穴は通し穴で加工することがほとんどですが、止まり穴で加工している場合、折れたピンが穴の中に埋まってしまい取れなくなることがあります。こうなると、ドリルなどで穴ごと削り出すしかなくなりますので注意が必要です。
また、スプリングピンはその構造上、中空になっており中実ピンより強度が低いため、大きな衝撃のかかる箇所で使用する際は折れないよう選定に気を付ける必要があります。
スプリングピンの形状は基本的にストレート形一般用と波形一般用、波形軽荷重用の3種類に分かれていて、それぞれ強度が多少変わってきます。
ストレート形一般用は基本的にSUS420J2やばね用鋼製であり、波形と比較して剪断強度が2〜3%高く、動的荷重や衝撃荷重が加わるような所に適しています。両端は絞り加工されていて絡みにくく仕上げてあり、ヒンジとストッパー等の複数の役割を同時に持たせることができます。
波形一般用は波形軽荷重用に比べて剪断強度が高く、ストレート型一般用と同じようにSUS420J2やばね用鋼製であるので、複数の役割を持たせることができます。ストレート形と比較して製品同士が絡みにくいので、自動挿入する箇所に適しています。また、波形軽荷重用よりも径のラインナップが多いです。
波形軽荷重用は基本的にSUS304-CSP製であり、一般用に比べて剪断強度が低いので、板厚が薄く相手がアルミや樹脂などの挿入荷重を低く抑えたい箇所に適しています。こちらも複数の役割を持たせることができ、自動挿入する箇所に適しています。
スプリングピンはどんな用途に使う場合でも、相手の穴に入れることが必要です。また、メンテナンスや解体の時にはスプリングピンを抜かないといけないので、スプリングピンの使い方は入れると抜くの2種類あります。
スプリングピンを入れるときは、カタログに記載されているサイズの下穴にスプリングピンを当てて、上からハンマーで軽く叩きます。入りにくいときに無理に叩き込もうとすると、スプリングピンが潰れる可能性があるので、下穴を0.1mmほど広げてから叩きます。スプリングピンの端の潰れが気になるときは、万力などを使用すると端が潰れずに綺麗な仕上がりになります。
スプリングピンを抜くときは、スプリングピンを潜らなくなるまで叩いた後、別なピンなどを押し当てて叩くと抜けます。下穴よりも少し小さい径のピンを用意する必要がありますが、ピン抜きポンチがあれば様々なサイズのスプリングピンに対応することができます。
参考文献
http://www.taiyo-sp.co.jp/spring_pin/
http://blog.livedoor.jp/shiba_makoto-c1vv9a084dhea/archives/スプリングピンの使い方や設計方法について.html
https://e-neji.info/スプリングピンの使い方
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