V型混合機についての概要、用途、原理などをご説明します。また、V型混合機のメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。V型混合機関連企業の2022年7月注目ランキングは1位:株式会社ダルトン、2位:菱興産業株式会社、3位:株式会社徳寿工作所となっています。
V型混合機とは、V形の形状の混合容器を回転させることで、粉粒体を分散・集合を繰り返しながら混合する混合機のことです。
このV型混合機では、容器内の粉粒体が、混合容器全体に移動して、対流運動を繰り返し行う為、速やかに均一な混合が可能になります。
また3次元的な衝突及びたたみ込み作用により、W型混合機よりも混合時間を短縮することができます。
そして、内部構造が非常にシンプルであるため、医薬・食品分野における原料の混合に適しています。
V型混合機は、V型になるように組み合わせた二つの円筒容器が回転させられることによって生じる、三次元的な衝突交流及びたたみ込み作用を利用して混合しています。
それ故に、流動性を多少有する粉粒体に最も適していて、短時間に混合をおこなえます。
特に、比重差、混合比率、粒度差の少ない粉粒体同士の混合に適しています。
そのため、用途としては、ペレット・合成樹脂粉末・調味料・塗料・乳製品・洗剤・陶土・ガラス・粉末治金・フェライトの原料が挙げられます。
粉粒体混合を行う際に、粉粒体には流体同士(液体同士もしくは気体同士)のような自己拡散性が無いため、混合操作の際には二成分またはそれ以上の粉粒体自身を、運動させる外力(攪拌力・転動力)を加える必要があります。
しかし、外力を粉粒体に加えた結果、装置内で粉粒体が運動している部分(流動状態)と、運動していない部分(静止状態)が分かれて発生します。
粉粒体混合を効率的に進めるためには、外力を加え続け静止状態をいかにできるだけ生じさせないように工夫する必要があります。
しかし、混合進行状態では均質化プロセス(プラス面)だけでなく、偏析化プロセス(マイナス面)が同時に進行してしまいます。
特に、各成分の比重や粒子径分布に大きな差がある場合、均質化と偏析化の強さに違いが発生してしまいます。
例えば、比重差が大きい粒子や粒子径分布の広い粒子の場合であれば、上下方向に大きな分布が生じます。
それ故に、運転条件や装置設計によっては良好な混合状態を維持することが難しくなり、各成分の粒子が偏って存在しやすくなってしまいます。
このように、「特に比重や粒子径に大きな差がある複数成分の均質化」をするためには、その粉粒体の特性や作用を十分考慮した上で、装置設計や運転条件を選定することが重要となってきます。
V型混合機では、V型の混合槽の回転により集合と分離が繰返され理想的な全体混合を行なえるので、流動性を有する粉粒体や、壊れやすい粉体の混合に適しています。
V型混合機では、原料の仕込み量を10%~40%にしたときに、最も効率よく運用することができます。
W型混合機よりも混合性が良く、死角のない全体混合になります。
更に、原料を残らず排出することができるので、装置の清掃洗浄も容易であり、その上で比較的安価な装置です。
そして、軸貫通部以外からのコンタミは基本的に防ぐことができます。
V型混合機の推奨仕込み量は40%以下とされています。これはV型容器内で粉が自由に流動する空間を確保しなければ十分な混合効果を得られないためです。容器回転式の混合気に共通して言えることですが、粉自身の対流が混合の原動力であるため、どうしても仕込み量は装置の大きさの割に少なめになってしまいます。
スクリューやリボンのようなローター回転式混合機では仕込み量を60%以上に取ることも可能です。しかしローターの力による粒子の摩耗・破壊や撹拌動作に起因する偏析等が起きる場合もあり、一概に仕込み量だけで混合機を選定することはできません。
混合機の選定には諸々の要求事項を確認したうえで実粉によるテストを行い、粉体品質への影響を確認する必要があります。
V型混合機は容器回転型のため、撹拌型混合機のようにローターからの圧縮・せん断・摩擦力による粉体粒子の損傷があまり起きません。そのため粒子形状を壊したくない粉体に適しています。
粉体の機能・性質にとって粒子の形状や大きさ・表面状態は大きな要素であり、混合機などの機械的処理によってそれらが変化すると、粉体自体の流動性や他の原料との混合性、樹脂などに添加したときの分散性などが変わってしまう可能性があります。
機能性付与や付加価値を持たせるために粒径制御・形状制御・コーティングなどを行った粉体は、その機能を損なわないよう穏やかに混合する必要があり、V型混合機が適しています。
また撹拌型混合機は摩擦により熱が発生するため、混合中に粉体の温度が上昇してしまうという問題もあります。従って熱に弱い試料はV型混合機が適しているといえます。
逆にV型混合機に適していない粉体として、微粒粉や粉体同士の粒径差・密度差が大きい試料が挙げられます。それらの場合微粒子や軽い粉体が凝集を起こしてしまい、容器回転型では凝集物を解砕することが難しいです。また密度差が大きいと粉体が偏析してしまう場合もあります。
参考文献
https://www.tokujuk.co.jp/products/mixer/V/post-3.html
http://www.a-ryoko.co.jp/product-mixers.html
http://www.sigma-industry.co.jp/mixer_vcone.html
https://www.dalton.co.jp/product/search/detail/powder/food/DV
http://www.hiroshimamm-chemtech.com/knowledge/knowledge-858/
https://www.nitto-kinzoku.jp/archives/technic/powder_mix/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年7月の注目ランキングベスト7
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社ダルトン | 30% |
2 | 菱興産業株式会社 | 16% |
3 | 株式会社徳寿工作所 | 14% |
4 | 株式会社セイシン企業 | 12% |
5 | 筒井理化学器械株式会社 | 12% |
6 | 株式会社入江商会 | 8% |
7 | 世鑫粉末混合科技有限公司 | 8% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年7月のV型混合機ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
死角がないため全体的に均一な混合を行うことができ、組織が壊れやすい粉粒体でも高品質に対応できるV型混合機です。
食品や薬品をはじめ、合成樹脂粉末、塗料、洗剤、陶土、フェライトなどの混合に向いていて、処理後は容器内に余すことなく排出することが可能です。
処理量は10Lの少量から1500Lという大容量にも対応した仕様があるため用途によって選択することが可能です。
排出方法は小容量のタイプはスライド式で、容量の大きいタイプはバタフライ式が標準仕様になっています。
材料を投入したV形状の容器が回転することによって発生する対流運動を利用して高速かつ均一な混合を可能とするV型混合機です。
粉粒体の混合に適していて、材料に対して過剰な力をかけないため特性を損なわせることなく混合することが可能です。
容器内にはデットスペースがないため、満遍なく高品質な混合を行うことができ、処理後は全量を排出することが可能です。
構造がシンプルなため洗浄や部品交換などを行いやすく、メンテナンス性に優れています。
研究室や試験室における試験的な材料作製での利用を目的として設計された小型のV型混合機です。
全容量が1Lで機械重量が25kgのタイプと全容量5L、重量35kgのタイプがあるため用途によって選択することができ、いずれも卓上での使用を可能にしたコンパクトかつ軽量で設置や移動も容易になっています。
材料の投入および排出はV型容器の3つの頂点全てに設定されたいずれの蓋からも行うことができます。
容器はステンレス製のため錆びにくく耐久性に優れます。
2本の円筒をV型につなぎ合わせた形状の容器に複数の材料を入れて回転させると重力と遠心力が発生し、材料が集合と分離を繰り返すことで起こる三次元的な衝突交流およびたたみ込み作用を利用して混合させる容器回転式のV型混合機です。
流動性に優れる粉粒体での利用に特に効果を発揮し、医薬品、食品、化粧品などの混合に向いていて、短い時間での混合を可能にします。
運転表示および操作スイッチには昭光スイッチを適用することで視認性に優れ、材料取り出しバルブは、スライド式、バタフライバルブ、フロートコントロールバルブの設定があります。