差圧センサーについての概要、用途、原理などをご説明します。また、差圧センサーのメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。差圧センサー関連企業の2023年11月注目ランキングは1位:オールデバイス株式会社、2位:オムロン株式会社、3位:SMC株式会社となっています。
差圧センサーとは、センサーに接続された2点の圧力の差を計測するための圧力センサーです。
差圧センサーは、あくまでも2点間の差を測定することが目的です。よって測定する圧力は大気圧、負圧、流体圧力のいずれであるかは関係ありません。また、差圧センサーは絶対値を計測するものではないため、機器本体は比較的小型で、安価な製品が数多く販売されています。
さらに、差圧センサーはキャリブレーションも用意に行えるのも特徴の1つです。
差圧センサーは汎用的なセンサーであり、産業界の各分野で幅広く使用されます。 主な使用用途は、風速計、空調関係の機器です。
また、産業用機器においては、ポンプやコンプレッサなど機器の動作状況やフィルタの目詰まりの監視にも使用されます。フィルタの目詰まりとして用いられているものの代表例は、自動車用のディーゼルエンジンです。
ディーゼルエンジンでは、デーゼルパティキュレートフィルター (DPF) という、ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質を取り除くためのフィルターが装着されています。差圧センサーは、DPFへの粒子の堆積状態を計測するために使われています。
その他、タンク内の液体の容量の測定にも有用です。このときに、差圧センサーの構造を利用し、タンク内の液体と大気圧といった異なる相 (形態) の差圧の測定にも利用できます。
差圧センサーは大きく分けて、ひずみゲージを使用したものと静電容量センサーを使用したものの2つに分類されます。 いずれの方式のセンサーにおいても測定原理は同じであり、2点間の圧力の差によって、ダイヤフラムが変形することを利用しています。ダイヤフラムの変形 (ひずみ) 量を測定するために、いずれの方式を用いるかは、それぞれの方式の特徴によって選定します。
ひずみゲージを使用したものは、ダイヤフラムにひずみゲージを貼り付け、ダイヤフラムの変形によるひずみゲージの抵抗値の変化を測定します。時間経過に伴う抵抗値の変化がほとんどないため、長期的でかつ静的な力を計測する用途に向いているのが特徴です。
静電容量センサーを使用したものは、ダイヤフラムに設置した2つの電極間の距離がダイヤフラムが変形することで変化し、その変化に伴って電極間の静電容量が変化します。静電容量センサーは、その変化量を測定するものです。
静電容量センサーを用いた差圧センサーでは、構造的に時間の経過に伴いわずかに出力値が変化しますが、センサーの筐体が高剛性であり固有振動数が高くなることから、動的な計測には強い傾向があります。
さまざまな計測器で測定される圧力には、3つの種類があります。それぞれの値の意味と関係を、正しく覚えておくとよいでしょう。
絶対圧
絶対圧とは、絶対真空を基準とした圧力です。絶対真空とはある空間に物質が全くなにも無い状態を指します。
ゲージ圧
ゲージ圧とは、大気圧を基準とした圧力です。大気圧も場所や時間によって変化するため、ゲージ圧は測定値が同じであっても、場所や時間によって変化していることになります。
差圧
差圧はある場所の圧力を基準として、基準との差を表したものです。よって差圧を測定する際には、必ず測定対象以外に基準となる圧力もセットで測定しなければなりません。
差圧センサーは、2点間の圧力の差を測定する機器です。片方を大気圧測定し、ゲージ圧を測定することもできます。
差圧センサーでゲージ圧を測定するためには、差圧センサーのHIGH側にゲージ圧を測定したい対象に接続し、LOW側は大気解放にすることが一般的です。
参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/35/28/index.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/process/levelsensor/type/difference.jsp
https://www.ni.com/ja-jp/innovations/white-papers/11/pressure-measurement-overview.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
2023年11月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | オールデバイス株式会社 |
24.6%
|
2 | オムロン株式会社 |
23.0%
|
3 | SMC株式会社 |
9.8%
|
4 | 横河電機株式会社 |
9.8%
|
5 | 美浜株式会社 |
8.2%
|
6 | 株式会社バルコム |
6.6%
|
7 | NXPジャパン株式会社 |
4.9%
|
8 | センシリオン株式会社 |
4.9%
|
9 | アズビル株式会社 |
4.9%
|
10 | First Sensor AG(TE Connectivityに買収) |
3.3%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年11月の差圧センサーページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されている差圧センサーが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
カタログを企業ごとに探す
カタログを種類ごとに探す
オールデバイスで扱っております圧力センサを使用される用途ごとにご紹介しております。大きなカテゴリーとしては、産業、医療、IoT、スマートホームの4つが...
2023年6月16日
IIoT、スマート保全、安全性向上と効率化の両立の実現をサポートする新世代圧力・差圧伝送器・Bluetooth通信でリモート操作・自己診断機能で予知保全・予防保...
2022年8月30日
デジタル微差圧計KS2900は半導体圧力センサを内蔵し、印加された圧力値に比例したアナログ出力及び圧力表示をします。比較出力はNPNトランジスタ出力方式又は...
2022年10月11日
米国バリダイン社は1968年の創業以来圧力センサーの専業メーカーとして大学研究機関・航空宇宙産業・自動車産業・海洋資源探査・一般産業分野など幅広い分野...
2022年10月21日
差圧センサーのカタログ4件分をまとめてダウンロードできます!お迷いの方は便利な無料の一括ダウンロード機能をご利用ください。
企業
オールデバイス株式会社 エンドレスハウザージャパン株式会社 株式会社クローネSDP810-500 Pa は 0.1 ppmまでの極微小な差圧も計測可能な高精度タイプの微差圧センサーです。
同社の独自技術により、センサー素子および信号処理回路を1チップCMOS上に統合しており、オフセットドリフト、ヒステリシス、対振動、温度、取り付け方向による測定値のばらつき性能に優れています。
± 500 Paまでの測定レンジを備えており、最大誤差でも1 Pa未満という高精度を実現しています。
医療現場における呼吸系機器など正確な気体流入量を計測・監視する用途に適した製品です。
D6F-PHは、対象流体として空気の計測に適した差圧センサーであり、ビル換気装置のモニタリング用途などに適しています。
蝶の羽ばたきすら検知可能な高感度、直線補正・温度補正による高精度、MEMS技術による超小型という特徴を備えた製品です。
-20~+80 ℃の温度範囲、35~85% RHの湿度で動作可能という耐環境性能も備えており長期間に渡る使用が可能です。
測定データはデジタル出力でありI2C通信により取得することができます。
PSE550は、-50 kPaから50 kPa の範囲内において、0 Paから2 kPa の差圧を0.01 kPaの分解能で計測可能な微差圧センサーです。
定格圧力範囲において±1% F.S.(フルスケール)、繰り返し精度± 0.3% F.S.という高い精度を備えています。
その他、通電確認用LED表示機能も備えており、センサーと配線が正しく接続されていることが簡単にチェックできます。
ダクト内の風量監視・風量制御、フィルタの目詰まり検出、液面検出等の用途に適した製品です。
MP3V5004GVPは、MEMS技術による超小型の差圧センサーであり、医療用途・産業用途・自動車など信頼性が求められる業界向けに設計された製品です。
0 Paから3,920 Paまでの測定レンジに対応しており、10 °C~60 °C以上の温度でも+1.5%以下の高い精度を備えています。
幅12.06 mm ×奥行12.06 mm ×高さ8.38 mmの超小型サイズである点が特徴です。
医療現場であれば、例えば麻酔ユニットの制御・監視などに適用することもできます。
LHD ULTRA pressure sensorsは、広範囲の計測範囲と精度を両立させた差圧センサーです。
同社の独自技術により、特性の異なる2種のセンシング素子を1チップ上で統合させており、測定範囲は±5,000 Paという非常に広範囲の測定と、0.05 Paという細かな分解能、全測定範囲において1 Pa未満という高精度を実現しています。
取り付け時の高さがわずか7.4 mmという超小型である点も大きな特徴です。